委員長に胸キュン 〜訳あり男女の恋模様〜
 翌日のお昼頃。そろそろお昼ご飯かな、なんて思っていたら、マナーモードにしている私の携帯が激しく振るえだした。メールではなく電話の着信だ。そのディスプレイを見ると、相原君!?


「もしもし」


 急いで応答し、悠斗にそっくりな彼の声を待つと……


『桐島玲奈さんですよね?』


 携帯から聞こえてきたのは、彼の声ではなかった。低めの声だけど、たぶん女の子の声。でも、なんで?


「は、はい、そうですけど……」

『わたし、悠斗さんの知り合いで、彼の携帯から掛けてるんですけど……』


 ああ、そういう事なのね……


『彼、急に具合が悪くなって寝てるんです』

「えっ?」

『今、薬を飲んで自分の部屋で眠ってます』

「あの、大丈夫なんですか!?」

『大丈夫らしいです。医者の母親がそう言ってますから』

「あ、そうなんですね……」


 お母さんがお医者さん?

 電話してきた彼女のお母さんだろうか。それとも、相原君の?

 そう言えば、私達はお互いの家族の事とか、何も話してないんだなあ。


 ともかく、彼女の電話の調子から考えても、相原君の容体はそんなに酷くはなさそうね。


『今、母親は病院に行ってて、わたしが悠斗さんに付き添ってるんだけど、わたし、用事があって帰らなきゃいけないのよね』

「はあ……」


 病人をほったらかして帰らなきゃいけない用事って、どんななんだろう……


『だからさ、わたしの代わりしてくれない?』

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