委員長に胸キュン 〜訳あり男女の恋模様〜

「えっ？」


　思わず私は聞き返してしまった。『わたしの代わりを……』って聞こえた気がするけど、何かの聞き違いだろうと思ったから。


『用事がないなら、来てくれないかしら？』


　続けてその人はそう言ったので、やっぱり聞き違いではなかったらしい。


「でも……」

『用事あるの？』

「それはないですけど、行った事ないし……」

『住所を教えるわ。大きなマンションだから、すぐわかると思う』

「はあ……」

『彼、起きたらたぶんお腹空かせてるはずなのね。全部吐いちゃったから。だから悪いけど、来る時にお粥か何か買ってきて？』

「あ、はい」

『住所はね……』


　という事で、ほぼ強制的に、私は相原君が住んでるらしいマンションへ行く事になってしまった。

　まさかこんな形で彼に会う事になるとは思ってもみなかったけど、決して嫌ではなかった。それどころか、支度をしながらつい顔がにやけちゃうほど、楽しみだった。