LOVE or DIE *恋愛短編集*
温めなくては。
憑りつかれたように必死になって、円佳は春日の背中を擦った。
濡れたブラウスが肌に張り付いている。
艶めかしく素肌の色を透過する肩口から意識的に目を逸らせば、次に目につくのは薄桃色のキャミソールだ。
――駄目だ、駄目だ。
この薄汚い場所で。
腕の中には、唯一の良心。
これを穢すわけには、いかない。
「先輩、あったかいです」
ふわり、と、春日の腕が背中にまわる。
同じように、濡れて冷えた身体を温めようとしてくれているのだ。
小さな身体で、健気に。
服が濡れて、貼りついている。
薄桃色のキャミソールの下にある下着の線が、くっきりと浮かび上がっていた。
いつの間にか無意識のうちに、指がその線の上を行ったり来たりしている。
――駄目、だってば。
濡れた身体が湿度を上げた。
火照った身体が温度を上げた。
小さな電話ボックスの薄汚れたガラスは真白く、外と中とを遮断した。
憑りつかれたように必死になって、円佳は春日の背中を擦った。
濡れたブラウスが肌に張り付いている。
艶めかしく素肌の色を透過する肩口から意識的に目を逸らせば、次に目につくのは薄桃色のキャミソールだ。
――駄目だ、駄目だ。
この薄汚い場所で。
腕の中には、唯一の良心。
これを穢すわけには、いかない。
「先輩、あったかいです」
ふわり、と、春日の腕が背中にまわる。
同じように、濡れて冷えた身体を温めようとしてくれているのだ。
小さな身体で、健気に。
服が濡れて、貼りついている。
薄桃色のキャミソールの下にある下着の線が、くっきりと浮かび上がっていた。
いつの間にか無意識のうちに、指がその線の上を行ったり来たりしている。
――駄目、だってば。
濡れた身体が湿度を上げた。
火照った身体が温度を上げた。
小さな電話ボックスの薄汚れたガラスは真白く、外と中とを遮断した。