LOVE or DIE *恋愛短編集*
甘くなきゃいやだという桐谷に、350mlペットボトルのカフェオレを買ってやる。


「缶より10円たけえ」


「けちくさ」


軽口を叩きながら、

俺たちは、コーヒーとカフェオレをそれぞれカイロ替わりに

両手で握りしめて温まった。



半ばぬるくなってきたところで一気にそれを飲み干す。

少しだけ和らいだ、気がしないでもない。



「佐久間、出てくる」


ようやく。
また2人が、動き出した。



今日は、12月24日で

クリスマスイブで


だから行先が、想像つかなかったわけじゃ、ない。



一面イルミネーションに彩られた

光が散らばる駅前広場



夜の闇を打ち消す眩いくらいの巨大なツリーの元で



菅井は、麻里子先生の手を取った。



同時に



桐谷はまた、俺のコートを掴んだ。
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