LOVE or DIE *恋愛短編集*
――――
―――
最初のジャンプボールを制した西中。
既にゴールへ向けてダッシュしている悠太へ、ポイントガードからの素早いパスが渡る。


―――先制点、速攻もーらいっ!


ニヤリ、不敵な笑いを浮かべ―――、すぐに、ディフェンスが勢いよく追いついてきたのを感じとる。

意外と速い、でも。

ハイスピードのドリブルから急ブレーキ、この動きにディフェンスとの距離が離れる。

「チッ」

敵の舌打ちが聞こえると、思わず悠太は舌なめずりをする。


―――いいねぇ、その顔。


すぐにディフェンスはシュートを阻止しようとチェックに向かってくる。
後ろからも、動きを止めようと敵が迫っている。


シュートの構えと同時に、ディフェンスが跳ぶ。


―――甘いよ。


タイミングをずらし、ディフェンスが最高点に達したあとに悠太はフロアを蹴った。


クイックリリース―――ボールが手を離れるまで、ほんの一瞬だった。


「リバン!!」

後から走ってきた敵はシュートチェックには間に合わず、こぼれ球を拾うためゴールを振り向く。


悠太が放ったボールは、ゆっくりと弧を描いてネットに吸い込まれた。
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