LOVE or DIE *恋愛短編集*
「ちょっと悠太、こんな時間に!」
玄関を出る直前、後ろから母の声が追いかけてきたが聞こえないフリをした。
悠太はいつもの走り込みのコースの後半を変更し、最後に例のコンビニに立ち寄れるように道順を組み立てる。
走り始めてしまえば、頭の中がどれだけぐちゃぐちゃしていようとも身体はいつも通りに動いた。
高校生だとしたら、アルバイトは何時まで許されるのだろう。
今から行ったところで、あのコンビニには彼女はいないかもしれない。
もしも彼女がいたら、なんて声をかけよう。
いや、声なんかかけるのもおかしいだろうか。
名前・・・そうだ、名前くらは知りたい。
ネームプレートを付けているだろうか。
覗きこんだら怪しまれるだろうか。
走り初めはそんな考えがぐるぐる回っていたが、身体に酸素が行き渡る頃には無心になっていた。
身体を動かしていると、余計なことは何も考えなくて済む―――バスケにも通じる、この考えが悠太は好きだ。
昔から、嫌なことや考えたくないことはこうやって忘れてきた。
だが、今回ばかりは忘れて終わりには出来なそうだった。
玄関を出る直前、後ろから母の声が追いかけてきたが聞こえないフリをした。
悠太はいつもの走り込みのコースの後半を変更し、最後に例のコンビニに立ち寄れるように道順を組み立てる。
走り始めてしまえば、頭の中がどれだけぐちゃぐちゃしていようとも身体はいつも通りに動いた。
高校生だとしたら、アルバイトは何時まで許されるのだろう。
今から行ったところで、あのコンビニには彼女はいないかもしれない。
もしも彼女がいたら、なんて声をかけよう。
いや、声なんかかけるのもおかしいだろうか。
名前・・・そうだ、名前くらは知りたい。
ネームプレートを付けているだろうか。
覗きこんだら怪しまれるだろうか。
走り初めはそんな考えがぐるぐる回っていたが、身体に酸素が行き渡る頃には無心になっていた。
身体を動かしていると、余計なことは何も考えなくて済む―――バスケにも通じる、この考えが悠太は好きだ。
昔から、嫌なことや考えたくないことはこうやって忘れてきた。
だが、今回ばかりは忘れて終わりには出来なそうだった。