LOVE or DIE *恋愛短編集*
いつものコースならきっちり1時間の走り込みになるのだが、どこかにはやる気持ちがあったのか、頭の中でコースを組みなおした時点で距離を短縮していたようだ。

30分も走ったところで例のコンビニの明かりが見えてくる。
そこまできて悠太は、汗だくで入店するのは迷惑かもしれない、と思い当たった。
いや、迷惑ということはないだろう。
だが、無駄に不快な印象を与えたくはなかった。

徐々にペースを落とし、最後の300メートルくらいは歩いて息を整えた。
タオルなんかは持って走らないので、仕方なくジャージの袖で汗を拭う。

もう走るには半袖でも十分な季節だが、ジャージを着ていてよかった。
Tシャツ1枚では、汗で身体に貼りついてしまい目も当てられなかったに違いない。

―――ああ、汗をいくら拭ったところで、きっと顔は脂ぎっている!

ここまで来て、そんな姿を見られることに躊躇する。
練習試合の帰りに立ち寄ったときだって、似たような状態だっただろうということには思い当たらなかった。
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