LOVE or DIE *恋愛短編集*
街灯の下で照らすと、ジャージはまだらにシミになっていた。
悠太はそれをバタバタと振って軽く乾かした。
しばらくそうしているうちに、内側には濡れたあとがはっきりと分かるが、表はそれほど気にならない程度になる。
ジャージを羽織り、汗で色が変わったTシャツを隠すように前を閉めた。
―――これで、少しはマシになったはず。
鏡で確認したかった。
あいにくそんな気の利いたものは、この公園にはない。
準備が整っても、すぐには足を踏み出せなかった。
横断歩道を渡ったら、そこが目的地だというのに。
悠太は一旦ベンチに腰かけると、大きく深呼吸をして空を見上げた。
月と、やたら明るい星がひとつだけ見える。
月はほぼ満月で、どこかいびつに見えなくもないが、乱視のまじった悠太の肉眼ではそれ以上は分からなかった。
星は、多分金星だろう。
一番明るい星が金星だと、もし空にひとつしか星が見えないならそれは十中八九金星だと、昔彩萌が言っていたから。
そのまま目を閉じると、月と星の残像が消え、フリージアがまぶたに浮かんだ。
―――行こう。
悠太はそれをバタバタと振って軽く乾かした。
しばらくそうしているうちに、内側には濡れたあとがはっきりと分かるが、表はそれほど気にならない程度になる。
ジャージを羽織り、汗で色が変わったTシャツを隠すように前を閉めた。
―――これで、少しはマシになったはず。
鏡で確認したかった。
あいにくそんな気の利いたものは、この公園にはない。
準備が整っても、すぐには足を踏み出せなかった。
横断歩道を渡ったら、そこが目的地だというのに。
悠太は一旦ベンチに腰かけると、大きく深呼吸をして空を見上げた。
月と、やたら明るい星がひとつだけ見える。
月はほぼ満月で、どこかいびつに見えなくもないが、乱視のまじった悠太の肉眼ではそれ以上は分からなかった。
星は、多分金星だろう。
一番明るい星が金星だと、もし空にひとつしか星が見えないならそれは十中八九金星だと、昔彩萌が言っていたから。
そのまま目を閉じると、月と星の残像が消え、フリージアがまぶたに浮かんだ。
―――行こう。