LOVE or DIE *恋愛短編集*


「で、引退する前に、なんとかミニゲームで勝とうって今2年の間で盛り上がってんす」

悠太がそう報告すると、佳織は興味深げに目をぱちぱちさせた。

「でも、1度も勝ったことないんでしょう?」

「だからこその挑戦っすよ」

闘志をみなぎらせる悠太を、佳織は眩しそうな目で見つめる。


恒例となったコンビニトークの最中、『ピロピロン』と来客を知らせる電子音が鳴り響き、悠太は邪魔者の到来にひそかに眉を寄せた。

だが、振り返った先にいたのが見知った人物で目を見開く。


「よーう、佳織!兄貴いるかっ!?」

知らない人間が見たらレジで接客中である佳織に対し、無遠慮にそう声をかけたのは―――

「祐輔さん!こんばんは」

彩萌の兄である、柏木 祐輔だった。

「お兄ちゃんなら、2階にいると思いますよ」

当たり前のように対応する佳織のその言葉で、祐輔と彼女の兄が友人同士で、2人もなじみがあるのだと分かった。
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