LOVE or DIE *恋愛短編集*
「なあ、タバコちょーだい。13番のヤツ」
レジカウンターに身を乗り出しながら祐輔がタバコの陳列棚を指さす。
「あげません、お金払ってください」
「チッ、分かってるよ」
仮にも【伝説のヤンキー】などという悪評のある祐輔に対して、佳織の対応はあまりにも軽々しく見えた。
「成人おめでとうございます」
と、皮肉げに言う彼女の言葉から察すると、未成年の内から祐輔がタバコを買うのはここだったのかもしれない。
「輔兄ちゃん、未成年はタバコ買っちゃダメだろ」
「何言ってんだ、未成年の時は買ってねえよ」
心外だとでも言いたげな祐輔に、佳織は冷たい視線を送った。
「未成年にタバコは売れないよ。お兄ちゃんが勝手にお店から持って行って、祐輔さんに横流ししてただけ」
佳織のこの言葉にはさすがに悠太も驚いた。
学生の頃から祐輔がタバコを吸っていたのは知っているが、それじゃ泥棒じゃないか。
「まあまあ、昔の話は水に流せよ。兄貴は『店のモンは家のモン』て思ってたんだし、俺だって盗んだわけじゃねえ」
「どんなヘリクツだよそれ!」
「本当よ。お父さんに見つかったら私が怒られるんだから、さっさと2階に行ってください」
タバコの清算を済ませるとすぐに佳織が追い払うようにそう言い、祐輔は肩をすくめて裏口の方へ行ってしまった。
レジカウンターに身を乗り出しながら祐輔がタバコの陳列棚を指さす。
「あげません、お金払ってください」
「チッ、分かってるよ」
仮にも【伝説のヤンキー】などという悪評のある祐輔に対して、佳織の対応はあまりにも軽々しく見えた。
「成人おめでとうございます」
と、皮肉げに言う彼女の言葉から察すると、未成年の内から祐輔がタバコを買うのはここだったのかもしれない。
「輔兄ちゃん、未成年はタバコ買っちゃダメだろ」
「何言ってんだ、未成年の時は買ってねえよ」
心外だとでも言いたげな祐輔に、佳織は冷たい視線を送った。
「未成年にタバコは売れないよ。お兄ちゃんが勝手にお店から持って行って、祐輔さんに横流ししてただけ」
佳織のこの言葉にはさすがに悠太も驚いた。
学生の頃から祐輔がタバコを吸っていたのは知っているが、それじゃ泥棒じゃないか。
「まあまあ、昔の話は水に流せよ。兄貴は『店のモンは家のモン』て思ってたんだし、俺だって盗んだわけじゃねえ」
「どんなヘリクツだよそれ!」
「本当よ。お父さんに見つかったら私が怒られるんだから、さっさと2階に行ってください」
タバコの清算を済ませるとすぐに佳織が追い払うようにそう言い、祐輔は肩をすくめて裏口の方へ行ってしまった。