LOVE or DIE *恋愛短編集*
「キャップ!!」

呼びながら、キャプテンの右すれすれを悠太が駆け抜ける。

すれ違いざまの手渡しパス。
キャプテンの身体がそのまま壁になり、悠太のマークは遅れた。

「フリー!!」
「打て!」

キャプテンをマークしていたディフェンスが、慌ててシュートチェックに跳ぶ。


ここで、悠太はまた、笑った。


「よせ!!」

相手チームの誰かが、叫んだ。
しかし、既に跳んでしまったディフェンスは、止まらない。

空中のディフェンスに身体をぶつけながら、悠太はシュートを放った。

「ファールだ!」
「そのまま行け!!」

その声に呼応するかのように、ボールはネットを揺らした。

「バスケットカウント!!」
「っしゃー!!ナイス悠太!」


相手チームのファールにより、悠太にフリースローが与えられる。
悠太はこの1投を危なげなく決めた。


103-91
西中12点リード、残り時間1分6秒。



試合は、ここで決まった。

66秒で12点差をひっくり返すのは、ほぼ不可能。


最終得点、105-95
西中、県大会優勝。
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