LOVE or DIE *恋愛短編集*
聞きなれた『ピロピロン』を聞くと同時に、あっ、と思い出したように悠太は顔をあげた。
今日もやはり、佳織はレジにいた。
しかし、悠太が1人じゃないことに気付くと、気を使ってかいつものように気安くは声をかけない。
悠太は少し淋しくも感じ、またその気遣いをありがたくも思う。
複雑な感情だった。
無性に炭酸が飲みたくなり、コーラを手に取る。
「おねーさん、から揚げちょうだいっ」
レジでは雅樹が毎度のごとくから揚げを注文している。
「今日は何味にします?」
『今日は』と聞くからには、佳織は雅樹のことも覚えているのだ。
それは【レジ店員として】であって欲しいと思った。
自分だけが、彼女の特別であって欲しいと。
醤油味のから揚げをゲットして雅樹が外へ出て行ったのを確認してから、悠太はレジに向かった。
無言でコーラを差し出すと、佳織は目を丸くする。
「珍しい」
聞き取れないくらい小さな声で、そう言った。
「今日はそういう気分」
悠太の返事もまた、聞き取れないくらいの小さな囁き。
今日もやはり、佳織はレジにいた。
しかし、悠太が1人じゃないことに気付くと、気を使ってかいつものように気安くは声をかけない。
悠太は少し淋しくも感じ、またその気遣いをありがたくも思う。
複雑な感情だった。
無性に炭酸が飲みたくなり、コーラを手に取る。
「おねーさん、から揚げちょうだいっ」
レジでは雅樹が毎度のごとくから揚げを注文している。
「今日は何味にします?」
『今日は』と聞くからには、佳織は雅樹のことも覚えているのだ。
それは【レジ店員として】であって欲しいと思った。
自分だけが、彼女の特別であって欲しいと。
醤油味のから揚げをゲットして雅樹が外へ出て行ったのを確認してから、悠太はレジに向かった。
無言でコーラを差し出すと、佳織は目を丸くする。
「珍しい」
聞き取れないくらい小さな声で、そう言った。
「今日はそういう気分」
悠太の返事もまた、聞き取れないくらいの小さな囁き。