LOVE or DIE *恋愛短編集*
作戦の若干の変更とメンバーチェンジを確認し、悠太たちはコートに戻った。

交代してゲームに出た雅樹に対し、悠太はこっそり耳打ちする。

「マッキ、スリーが欲しい」

雅樹は目を見開いた。
そんな作戦はなかったからだ。

だが、悠太は見ていた。
雅樹がシューティングで、黙々とスリーポイントを練習しているのを。

雅樹は無言で、コツンと悠太に拳を合わせた。



打ち合わせ通り、最初のディフェンスリバウンドを取った2年生チームのボールは悠太に渡った。

悠太はそのままドリブルでボールを運ぶ。
これまでワンマン速攻にやられていた3年生チームは、悠太の指示通りに逆サイドのコーナーへ走った選手に意識を向けた。
当然、悠太へのマークも厳しい。


―――今だ、マッキ―――


悠太の心の呼びかけに応えるように、3人目に走りこんだ雅樹。
彼は自身が一番得意とする45度のスリーポイントラインで静止した。
速攻のケアでハイスピードで守りに戻っていた3年生チームは、雅樹の急ストップに対応できない。
マークが離れ、雅樹はフリーになる。

その一瞬の隙をついて、悠太から雅樹へジャストミートのパス。

悠太の不敵な笑いに、雅樹が応えた。


15-14、2年生チーム、逆転。
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