LOVE or DIE *恋愛短編集*
元々ミドルシュートの確率がそう高くない雅樹だが、悠太の言葉がすっと耳に入ると、躊躇いなくシュートを放つ。

これが―――決まる。

【流れ】は完全に、2年生チーム
のものだった。


17-14、2年生チーム、リード。



「クソッ!」

中々ボールを持たせてもらえない、3年のスリーポイントシューターは苛立ちを露わに叫んだ。
ようやくパスがまわってきてもファールでスリーポイントの邪魔をされ、フリースローは半分外している。
イライラは募るばかりだ。


「先輩、怒ってんな」
「後がこえー」

対する2年生チームは冷静だった。

「トラッシュトークなら任せとけ」

相手をイラつかせて冷静さを奪うのは、元から作戦の内だった。

「よせマッキ、お前がやると退場になりかねねえぞ」

交代要員はいるが、波を引き寄せたのは雅樹だ。
ここで抜けられては困る。
悠太の言葉に、雅樹は嬉しそうに笑った。
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