LOVE or DIE *恋愛短編集*
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「よくよく考えてみろよ」

「そうだよなぁ、相手4人、関東レベルだぜ」

「しかし、よくやったよ俺ら」

ゲームが終わりほとんどの部員が解散した体育館で、残った8人は大の字になってフロアに寝そべっていた。


48-51、勝者、3年生チーム。


ファールがかさみ交代要員に退場が出たこと、部長を外におびき出す作戦は途中から効果をなさなくなったこと―――これは、純也に外の攻撃がないことから、初めから予想できていた結果ではある―――、インサイドのポジション争いが予想以上に足腰に負担となり、息切れしたこと・・・

敗因を数え上げたら、キリがない。

「セコイ作戦だったけどな」

ほとんどの作戦を立てた悠太自身が、そう言って笑った。

「でもさ」

悠太が上半身を起こすと、他のメンバーもそれにならった。

「俺たち、いいチームになるよ」

勝負には負けた。
だが、この試合で得たものは大きい。

「新人戦で、華々しくデビューしようぜ」

新たな目標は、3年生が引退した後の初の公式戦に定められた。

「つーか、お前はもうデビュー済みじゃねえか」

カッコよく決めたつもりだったのに、雅樹に突っ込まれ皆に笑われる。
それでもいい。
コイツ等が、大事な仲間だから。
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