LOVE or DIE *恋愛短編集*
第五章
悠太が結城 佳織に会えたのは、その週の金曜日だった。
「水曜、いなかったからどうしたかと思った」
悠太のこの言葉に、佳織はちょっと考え込むようにしてから答える。
「ああ、一昨日ね。ちょっと用事があって、別の人に代わってもらったの」
あの、見覚えのない男性のことだ。
「彼、新しい人?」
「ううん、普段は平日の昼間入ってくれてる人。夜の勤務の人が誰もつかまらなくって」
なるほど、それなら見たことがなくて当然だ。
悠太は気を取り直して、佳織に向き合う。
「あのさ、来週の花火―――」
だが、出鼻をくじかれた。
「ああ、悠太くんも行くの!?私も行くんだ、友達と」
ニコニコと笑いながらそう言った彼女に、後の言葉を続けることができなかった。
先約があるのに自分と行ってくれなんて、そんな図々しい申し出はない。
そもそも彼女に先約があることを想定していなかった自分の迂闊さ加減に、がっくりと肩を落とした。
「うん―――、いつもの奴らと、祭りの屋台でもまわろうかと思って」
と、取り繕った嘘をついた。
「水曜、いなかったからどうしたかと思った」
悠太のこの言葉に、佳織はちょっと考え込むようにしてから答える。
「ああ、一昨日ね。ちょっと用事があって、別の人に代わってもらったの」
あの、見覚えのない男性のことだ。
「彼、新しい人?」
「ううん、普段は平日の昼間入ってくれてる人。夜の勤務の人が誰もつかまらなくって」
なるほど、それなら見たことがなくて当然だ。
悠太は気を取り直して、佳織に向き合う。
「あのさ、来週の花火―――」
だが、出鼻をくじかれた。
「ああ、悠太くんも行くの!?私も行くんだ、友達と」
ニコニコと笑いながらそう言った彼女に、後の言葉を続けることができなかった。
先約があるのに自分と行ってくれなんて、そんな図々しい申し出はない。
そもそも彼女に先約があることを想定していなかった自分の迂闊さ加減に、がっくりと肩を落とした。
「うん―――、いつもの奴らと、祭りの屋台でもまわろうかと思って」
と、取り繕った嘘をついた。