LOVE or DIE *恋愛短編集*
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「意外だったな、悠太から花火の誘いなんて」

「本当だぜ、関東大会目前に控えて、お前がバスケ以外のことを考えてるなんてな」

本来はお前らを誘う予定なんかなかったんだ、とは口が裂けても言えない。
休日に私服で集合した雅樹、純也とともに、悠太は河川敷へ向かって歩いていた。

「祭りだ、祭り。俺、イカ焼き食いてえ」

ごまかすように適当に食べ物をあげると、この話題は思いのほか盛り上がった。

「馬鹿、屋台の王様は焼きそばだろう」

「何言ってんだよ、リンゴ飴だろ」

「はあ?そんなん女が食うもんだろ」

「マッキはやっぱりから揚げじゃねえの?」

「から揚げはコンビニが一番」

「そんな事言ったらお袋の味が泣くぞ」


―――佳織さんは、何が好きだって言ってたんだっけ。

一瞬、思考がずれた。
花火会場が近づき、視界に入ってきた屋台の並びを見て思い出す。

―――そうだ、タコ焼き。
青ノリがどうこうって気にしてたな。

歯に青ノリを付けた彼女の顔を想像したら笑いが込み上げる。
悠太ははしゃいでいた。
祭りの雰囲気でテンションがあがった友達2人に、怪しまれることはなかった。
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