LOVE or DIE *恋愛短編集*
屋台の海を渡り歩きながら、すれ違う浴衣姿の女子をつい目で追ってしまう。
こんなキョロキョロしてるのがバレたらまた2人にからかわれることになる、マズいな。
と、ハッと自分の行動に気付いた悠太は苦笑した。

手に持っていたステーキ串の油がたれてきて、歩きながら、慌てて食いつく。

「だっせえ、お前手ベトベトじゃん!」

そういう雅樹は、かき氷で舌が真っ青だ。

「鏡があったら見せてやりたいわ」

「えっ何!?俺なんか変!?」

実際に屋台を見たら目移りして、言っていたものとは違うものを買った悠太と雅樹に反して、純也だけは宣言通り焼きそばを買ってきた。

「あっ!お前ら何もう食ってんだよ。普通、席とって座ってから食うだろ!」

「ええ?歩きながらでしょ」

「焼きそばを歩きながら食えるか!」

覗き込んだ純也の焼きそばの上には青ノリがふってある。
あ!と思って警告する。

「ジュン、歯に青ノリつくぞ」

「悠太、何女みたいな事言ってんだ!」

一蹴された。
< 230 / 301 >

この作品をシェア

pagetop