LOVE or DIE *恋愛短編集*
「散っていく花火がこんなに淋しいものだと思わなかった」
無意識に本音が口から零れ落ちたが、悠太は自分が言葉を発したことすら気付かなかった。
「悠太?」
「どうした?」
彼らはだいぶ屋台から外れ、見物客もまばらな河川敷に腰を下ろしていた。
空を見上げたままボーッとする悠太のことを心配して2人は声をかける。
だが、その声も届かない。
「マッキ」
「何?ジュン」
「金出してやるから、イカ焼き3人分買ってきて」
純也がそう言ったのは、もしかしたら来る途中で『イカ焼き食いたい』と悠太が言ったのを覚えていたからかも知れない。
雅樹はめんどくせえとブツブツ言いながらも、いつもと違う悠太の様子にチラリと視線を送ると立ち上がって屋台の方へ向かった。
「何かあったのか?」
2人きりになってもう一度純也が尋ねたが、悠太はやはり、その声に気付きもしなかった。
ただ消えていく花火を眺め―――さっき見た光景を、何度も頭の中でリピートしていた。
戻ってきた雅樹と3人で、無言でイカ焼きに食らいついた。
もう花火には興味がなくなっていた。
「もうすぐ関東大会が始まるな」
そう言ったのが、純也なのか雅樹なのか悠太は覚えていない。
ただ、遠のいていた意識が、自分の元に返ってきたのを感じた。
無意識に本音が口から零れ落ちたが、悠太は自分が言葉を発したことすら気付かなかった。
「悠太?」
「どうした?」
彼らはだいぶ屋台から外れ、見物客もまばらな河川敷に腰を下ろしていた。
空を見上げたままボーッとする悠太のことを心配して2人は声をかける。
だが、その声も届かない。
「マッキ」
「何?ジュン」
「金出してやるから、イカ焼き3人分買ってきて」
純也がそう言ったのは、もしかしたら来る途中で『イカ焼き食いたい』と悠太が言ったのを覚えていたからかも知れない。
雅樹はめんどくせえとブツブツ言いながらも、いつもと違う悠太の様子にチラリと視線を送ると立ち上がって屋台の方へ向かった。
「何かあったのか?」
2人きりになってもう一度純也が尋ねたが、悠太はやはり、その声に気付きもしなかった。
ただ消えていく花火を眺め―――さっき見た光景を、何度も頭の中でリピートしていた。
戻ってきた雅樹と3人で、無言でイカ焼きに食らいついた。
もう花火には興味がなくなっていた。
「もうすぐ関東大会が始まるな」
そう言ったのが、純也なのか雅樹なのか悠太は覚えていない。
ただ、遠のいていた意識が、自分の元に返ってきたのを感じた。