LOVE or DIE *恋愛短編集*
その日のバスケ部は、あっけなく解散した。

打ち上げだとか、先輩を送り出す送別会のようなものをやろうと言い出す者は1人もいない。

皆、今日の敗北と3年の引退を心の中で噛みしめているようだった。


悠太は他の部員たちの動きに流されながら帰り支度をしていた。

そこへ、3年のポイントガードが歩み寄ってくる。


「悠太」

「―――先輩」


悠太にとって、最も一緒にプレーをした時間が長いのがこの男だった。
何度も彼からパスを受け、そのボールをシュートした。
コート上の司令塔である彼の考えが手に取るように分かり、息の合ったコンビプレーをしてきた。


―――そうか、もうこの人からのパスはこないんだ。


急に実感が湧く。

怖くなった。
手が、かすかに震えた。

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