LOVE or DIE *恋愛短編集*
立ち上がって、ゆっくり歩いた。

初めて佳織に会うためにコンビニを目指した日のことを、鮮明に思い出した。


―――会いたい。


―――伝えたい。


あの日、隣にいた男の事などもうどうでもいい。


伝えたい、伝えなければならない。


自動ドアが開くと、いつもの電子音が鳴り響いた。


「―――!悠太くん!久しぶりっ」

レジカウンターの向こうで、佳織はいつものように笑って迎えてくれた。

「最近来なかったから、心配してたのよ」


―――・・・それは、何故?
少しくらい、会いたいと思ってくれましたか?




「佳織さん」


限定ドリンクを取りには行かず、悠太は真っ直ぐレジへ向かった。

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