LOVE or DIE *恋愛短編集*
まさか本気でドアをぶち破って来るとは思ってもいないのか、浅川晋哉は涼しい顔でその声をシカトしようとした。
けど次の瞬間、ドアが本当に――吹き飛んだ。
冷たい空気が中に吹き込み、私に覆いかぶさったままの男は呆然としている。
外に続く扉の先に立つ人の顔は、暗くて良く見えなかった。
ドアを蹴破れる程度に古いアパートだったことを神様に感謝しながら、私は固まった男の下から、部屋と外との境目に佇むその人に必死で手を伸ばした。
「助けて」
「大丈夫か……ッ」
土足のまま中に踏み込んできたその人の顔がようやく見えて、私は言葉を失った。
中で起こっていたことを目の当たりにして理解したのか、その人は息を呑む。
それから浅川晋哉の首を掴んで私から引き剥がすと、続けざまに3発、拳を撃ち込んだ。
助かったという安堵よりも、混乱していた。
なんで、どうしてこの人がここに――。
私がどんなに押し退けようとしてもびくともしなかった浅川晋哉は、3発で簡単に気を失った。
浅川晋哉の身体をぽいっと投げ捨てるようにして、その人は私のコートを見つけて拾い上げると、それでふわりと私を包み込んだ。
「おい、大丈夫か高岡愛」
初めてこの人に、フルネームで呼ばれた気がする。
愛、と、誰も呼ばない私の本名を、呼んでもらった気がする。
ああ、なんで今まで気付かなかったんだろう。
私の『しんちゃん』は、こういう人だった――。
そんな風に思ってしまった私は、凝りもせずに未だに、『しんちゃんの呪縛』の中にいるのでしょうか……。
――to be continued!――
(という終わり方で次の走者に繋げてるので、続きがここに掲載されることはありません^^; ごめんなさい!)
けど次の瞬間、ドアが本当に――吹き飛んだ。
冷たい空気が中に吹き込み、私に覆いかぶさったままの男は呆然としている。
外に続く扉の先に立つ人の顔は、暗くて良く見えなかった。
ドアを蹴破れる程度に古いアパートだったことを神様に感謝しながら、私は固まった男の下から、部屋と外との境目に佇むその人に必死で手を伸ばした。
「助けて」
「大丈夫か……ッ」
土足のまま中に踏み込んできたその人の顔がようやく見えて、私は言葉を失った。
中で起こっていたことを目の当たりにして理解したのか、その人は息を呑む。
それから浅川晋哉の首を掴んで私から引き剥がすと、続けざまに3発、拳を撃ち込んだ。
助かったという安堵よりも、混乱していた。
なんで、どうしてこの人がここに――。
私がどんなに押し退けようとしてもびくともしなかった浅川晋哉は、3発で簡単に気を失った。
浅川晋哉の身体をぽいっと投げ捨てるようにして、その人は私のコートを見つけて拾い上げると、それでふわりと私を包み込んだ。
「おい、大丈夫か高岡愛」
初めてこの人に、フルネームで呼ばれた気がする。
愛、と、誰も呼ばない私の本名を、呼んでもらった気がする。
ああ、なんで今まで気付かなかったんだろう。
私の『しんちゃん』は、こういう人だった――。
そんな風に思ってしまった私は、凝りもせずに未だに、『しんちゃんの呪縛』の中にいるのでしょうか……。
――to be continued!――
(という終わり方で次の走者に繋げてるので、続きがここに掲載されることはありません^^; ごめんなさい!)