LOVE or DIE *恋愛短編集*
意味が、分からなかった。
彼はそれ以上、何も教えてくれなかったから。
ただひどく落ち込んでいた。
彼もすごくみのりのことが好きだったんだと、今になって、見せつけられた気がした。
「亮と別れたって本当?」
アパートに戻って1人になると、すぐにみのりにLINEを送った。
ほぼ同時に既読が付いたのに、返事が来るまでに数分待った。
『うん、振られちゃった』
立て続けにスタンプ。
パンダが泣いていた。
スタンプを選べるくらいの余裕はあるのか、それとも強がりなのか。
あまり愚痴や弱音を出さない子だから、判断が難しい。
けど、みのりの方でも自分が振られたという認識なことだけは分かった。
何がどうすれ違っているのかは分からない。
でもこの分なら、きっとすぐに仲直りするのだろう。
余計な口を出したらこじらせてしまうかもしれない。
そう思った私は、亮にもみのりにも、双方の状態を伝えなかった。