最初で最後の恋

「よし」


鏡を見て、前髪を整える。


やっぱり好きな人だから、少しでもよく映りたくて。


って、もう手遅れかもしれなしけど・・・。


ガラッ


来たっ!


「は、颯人?」


「おう」


やっぱり。


カーテン一枚だけの距離は頼りなくて。


なんだかやっぱり少しだけ怖い気もするけど、確認するって決めたもん。


シャーとカーテンが開く。


「はよ」


「おはよ」


フッと笑う颯人の顔。


この笑顔が私は大好きだ。


「昨日言った通り。話に来た」


「うん」


私もちゃんと考えて、考えて。


話したいことをまとめたんだよ。


「颯人」


「ん?」


ふぅーと息を吐いて。


深呼吸する。



< 102 / 160 >

この作品をシェア

pagetop