最初で最後の恋
「お前、それ信じたの?」
「う゛っ・・・・」
そりゃ、信じたくなかったけど・・・・。
「なんか、真実味のある言葉もあったし・・・・・。颯人の事信じたかったんだけどね!?・・・けどね・・・・・」
コツンと額に衝撃を感じた。
「あだっ・・・」
「ばーか。そんなん信じんなよ。俺が瑠璃を裏切ると思うか?」
首を横に振る。
「それに、愛梨ってやつ。俺に付きまとってるだけのうざい女だから。気にすんな。俺が好きなのは瑠璃だけだ」
「う・・・・・・うん・・・・・」
少しでも颯人の事を疑った自分が恨めしい。情けない。
颯人はこんなにも私のこと想ってくれているのに。
あんな人の言葉に惑わされて、まんまと踊らされて。
颯人と別れてしまった自分が・・・・・嫌いだと思わずにはいられない。
「颯人・・・・・・」
「ん?」
まっすぐ私を見据える瞳。
この瞳も大好きだったんだ。今でも。
「自分勝手でごめんなさい。颯人のこと少しでも疑ってごめんなさい」