最初で最後の恋
私の言葉に、愛梨さんのこめかみがピクッと動いた。
「私のほうが颯人の事分かってるわ!あんたなんかよりもね!颯人は優しいから、あんたなんか二番目なんだって言えないだけよ!遊びなのよ!別れなさいよ!!!」
周りを気にせず、叫びまくる愛梨さん。
その姿は、憐れみを感じさせるものだった。
この人も颯人が好き。
だけど絶対に颯人は渡さない。
颯人は私の未来だから。
「愛梨さんの言葉なんて、信じない。ううん、信じられない。私は颯人だけを信じる」
強い眼差しで、愛梨さんを射抜くように見つめる。
「後悔する前に別れなさい!!」
往生際が悪い。
「なんなら颯人に直接聞く?」
私の言葉に、口を閉じる愛梨さん。
「だって、私たちがこうやって話していてもキリがないじゃない。それならいっそ、颯人にはっきり言ってもらおうよ」
私は颯人を信じている。
だからこそ言える言葉。
愛梨さんの体がわなわなと震える。
「颯人は・・・・関係ないわ・・・。これは私たちの問題よ!」
諦めようとしない愛梨さん。
「颯人だって十分関係者だよ。颯人の事で話してるんだから」