最初で最後の恋
じわじわと追い詰めて行く。
私たちの仲を引き裂こうとした。
その報いだけはうけてもらうんだから!
「私と颯人が別れてないのをどこからか聞いたんだろうね。また別れて!って言いに来たんだよ」
ベットの上から愛梨さんだけを見る。
「なんだそれ・・・。ざっけんじゃねーよ」
怒りに満ちた颯人の目。
その視線の先には愛梨さんがいた。
「何してくれてんだよ!お前のせいで俺らは別れるところだったんだぞ!!心のすれ違いで!んなことして何が楽しーんだ!!」
さっきの愛梨さんが叫んでいたのとは別に
颯人の声は低く、本当に怒っているのが分かる。
好きな人にこんな声で、こんなこと言われて。
どんな気持ちなんだろう。
確かに愛梨さんはしてはいけないことをした。
けど、少しだけ。
ほんの少しだけ、愛梨さんが可哀そうにも見えた。
好きな人に睨まれて、怒られて。
そんな人の心情なんてわかるわけもないけれど。
「は、やとが・・・・。颯人が私の事を見てくれないから!!!!」
開き直ったかのように、颯人を睨みつける愛梨さん。