最初で最後の恋

「あ・・んたに・・・・何が分かるって言うの!?」


「え?」


「ずっと颯人の事見てきた。好きだった!そんな颯人を他の女にとられた私の気持ちをあんたが分かるわけないじゃない!!!」


逆上した愛梨さんが私に詰め寄る。


ベットの上では逃げようもない。


私と愛梨さんの間に体をすべりこませる颯人。


「八つ当たりはやめろ」


「颯人・・・・」


傷ついた目で颯人を見る愛梨さん。


それが急に吹っ切れたような顔になった。


次の瞬間。


信じられない事が目の前で起きた。



「んっ!?」


愛梨さんが颯人の胸倉を掴んで、強引に唇を合わせていたのだ。


「や・・・めて・・・」


ベットの上から二人を見ていることしかできない私。


「やめろ!」


すぐに突き放した颯人。


だけど、愛梨さんは満足そうな顔で笑った。


「颯人が誰と付き合ってても構わない。私が強引に颯人を奪えばいいだけだもんね」


フフフと笑う愛梨さん。


その顔を見た私はゾッとした。



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