最初で最後の恋

そこでなぜだかふっ、と意識が遠のいていくような気がした。


「瑠璃!!」


最後に聞こえてきたのは、愛する人の声だった。







  *  *  *



「ん・・・・」


ゆっくりと目を開けると、そこにはお母さんがいた。


「気がついたのね」


「お母さん・・・・?」


「あなた、気を失っちゃったらしいのよ」


「そうなんだ・・・・」


外を見ると、うす暗くなっていた。




ズキッ


「・・・・っ!」


急に頭に衝撃が走る。


「瑠璃!?大丈夫?!」


「大・・・丈夫・・・・」


次の瞬間。


頭の中をよぎる一人の男。




誰・・・・?



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