最初で最後の恋

けど、なんだか思い出したくない様な。


そんな感じ。


「ねえ、颯人君」


「颯人でいいよ。前はそう呼んでた」


「え・・・。いや、颯人君で」


「うん・・・」


聞きたいことを全部聞いちゃおう。


「颯人君って・・・・私の何?」


ここまで心配してくれたり、優しくしてくれたり。


仲が良かったのかな?


「俺と瑠璃は付き合ってたんだ」


「付き合って・・・・・・」


「そうだよ。ほとんど毎日会ってた。思い出せない?」


頭の中で考えたりしたけれど、やっぱり思い出せない。


私は首を横に振り、


「ごめんなさい」


と謝った。


「いいよ。少しずつ、思い出していこう」


「うん」


なんか、この人の隣は安心できる。


不思議だな。




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