最初で最後の恋
それから私と颯人君の付き合う前の話や、付き合ってからの話などをたくさん聞いた。
そうしているうちに時間は過ぎて。
「じゃあ、明日も来る」
「うん・・・」
颯人君は帰っていった。
「はぁ・・・・・」
思わず、我慢していたため息がこぼれる。
確信を持って言える。
私は記憶を失っているんだ。
多分・・・・・颯人君に関しての記憶だけ。
なんでだかは分からない。
けど、思い出さなくちゃ。
早く、思い出さなきゃっ・・・・。
「うっ・・・!」
頭に激痛が。
思い出そうとすると、毎回こうだ。
無理矢理思い出すのはやめておいた方がいいな。
自然と戻るのを待つしかないのかな。
と、そこへ。
「瑠璃~」
「あ、お母さん!」