最初で最後の恋

それから私と颯人君の付き合う前の話や、付き合ってからの話などをたくさん聞いた。


そうしているうちに時間は過ぎて。


「じゃあ、明日も来る」


「うん・・・」


颯人君は帰っていった。


「はぁ・・・・・」


思わず、我慢していたため息がこぼれる。




確信を持って言える。


私は記憶を失っているんだ。


多分・・・・・颯人君に関しての記憶だけ。


なんでだかは分からない。


けど、思い出さなくちゃ。


早く、思い出さなきゃっ・・・・。


「うっ・・・!」


頭に激痛が。


思い出そうとすると、毎回こうだ。



無理矢理思い出すのはやめておいた方がいいな。


自然と戻るのを待つしかないのかな。


と、そこへ。


「瑠璃~」


「あ、お母さん!」



< 121 / 160 >

この作品をシェア

pagetop