最初で最後の恋
私はそれを見ていたんだ。
苦しい思いをしながら。
ベットの上から動けないくらいに固まって。
「あ・・・・・あぁ・・・・・・」
頭の中に、次々と映像が流れる。
色々な記憶が、頭の中でぐるぐると混ざる。
そして次の瞬間。
パズルの最後のピースが埋まったかのような。
そんな感覚だった。
「颯人・・・・」
「瑠璃!?その呼び方・・・・・。まさかお前記憶が!」
こくりと頷く。
全て思い出した。
今までの事全部。
どれだけ苦しかったかも。
どれだけ颯人の事が好きだったかも。
全部。
「改めて謝らせてくれ。ごめん!!」
すごく寂しげな顔。
私は颯人のこんな顔が見たいわけじゃない。
だからって、あの事を全て許せるほど、私の心は広くない。