最初で最後の恋

それから一年。


私の病気は悪くなる一方だったけど、なんとか生き延びてきた。


そして今日は、凛華の一歳の誕生日。


「「ハッピーバースデートゥーユー・・・・」」


二人で凛華にバースデーソングを歌ってあげる。


それを見て、凛華は笑っていた。


「ぁーあー」


言葉にもならないような声を出しながら、体で必死に伝えてくれているようだ。


楽しいのかな?


私たちは乾杯をした。


もちろん凛華には、刺激の少ないジュースを。


「凛華の一歳になる瞬間が見れて・・・・嬉しい」


「あぁ」


できることならば。


凛華が二歳、三歳になっていく様子を


真直で見ていたい。


凛華の誕生日。


それは、私の誕生日のちょうど一か月前。


来月には、私の誕生日が待っている。


「来月は、大きなケーキを買ってくるからな」


「うん!楽しみだなぁ~」


表面上ではうきうきした浮ついた声を出したけど。








< 134 / 160 >

この作品をシェア

pagetop