最初で最後の恋
「凛華は幸せ者だ」
「え・・?何で?」
颯人が突然につぶやいた言葉。
なんで急に・・・?
「瑠璃みたいな人がお母さんで。幸せだろうな・・・って」
「・・・・っ」
そんなこと。
それなら凛華は、颯人がお父さんで幸せ者だよ。
そう、口に出そうとしたけど。
喉に言葉がつっかえて、なかなか出てこない。
「ははっ、泣くなよ」
颯人の言葉を聞いて気付いた。
頬に流れている温かいものに。
「だっで~。颯人がうれしい゛こと言うからじゃん゛~」
泣きながら言った言葉は、うまく発音できてないだろうけど、聞こえていればいいや。
「瑠璃って泣いてる時も可愛いな」
「なっ・・・!」
突然の不意打ち。
それはないでしょ~。
「颯人ってば意地悪かも」
「あ、今更?」
「もー!」