最初で最後の恋
そして一か月の月日が流れた。
「準備できたかー?」
「ちょっと待って~」
今日は私の誕生日だ。
20まで生きられないと言われてきたが、今日でちょうど20歳だ。
「どこ行くか決めてんのか?」
「ふふっ。秘密だよー」
「んだよ。教えろよ」
「行けば分かるよ」
「ちぇっ」
どこか子供っぽいような言葉遣いが、愛おしい。
凛華はお母さんに預けた。
「行こっ」
私は颯人と一緒に家を出た。
「うわぁ、綺麗・・・・・」
最初に来たのは水族館。
ずーっと来たかったんだ。
「見て見て!これ颯人にそっくり」
「どれどれ・・・・って、なんじゃこりゃ」
私が指差したのは、名前がへんてこな魚。
「なんか、可愛くない?」
「瑠璃の価値観はわかんねぇ・・・」
「ふふっ」