最初で最後の恋
颯人side
-颯人side-
ピ―――
鳴り響く機械音。
「う、そ・・・だろ・・・・?」
目の前には目を閉じた瑠璃がいる。
心なしか、その表情は優しかった。
「瑠璃・・・・。もう・・・・・一緒に・・・・・」
話せないのか?
笑えないのか?
一緒に過ごして、馬鹿みたいに笑って、幸せを感じて。
そんな日々をもう・・・・。
過ごせない・・・・のか・・・・・。
けど、不思議を涙は出てこない。
悲しいはずなのに。
誰かが言ってた。
“涙が出るから悲しいんじゃない。本当に悲しい時には涙さえ出てこない”と。
本当にそうだ。
今俺は、それを実感してる。