最初で最後の恋

----------六年後。


「早く支度しろよー」


「ちょっと待ってよーパパー」


トタトタと走ってくる凛華。


凛華はもう、6歳になった。


「今日はママに会えるの!?」


「そうだ。会いに行くぞ」


「やったあ!!」


はしゃぎまくる凛華。



もうあれから六年も経ったんだな・・・・。


瑠璃があの世へ行ってからは、家の中が少し寂しい。


なにかが欠けているような気分だ。



まあ実際欠けているんだが。



「ママへのプレゼント。ちゃんと持ったか?」


「うん!!バッチリだよ!」


「偉いぞー」


頭をなでてやると、気持ち良さそうにする凛華。


凛華の手には、パンジーで作られた花束が。


特殊なやつで、花束に出来るように茎が長くなっている。












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