最初で最後の恋
すぐに周りの大人たちが反応して、救急車を呼んでくれた。
「・・・・ちゃん!・・・・・・りちゃあん!」
友達の声が遠くに聞こえた。
と。
私は、急に意識を手放した。
次に目を覚ましたのは真っ白な天井の病院で。
隣にはお母さんがいた。
お父さんはいない。
小さいころに離婚したのだ。
「瑠璃?大丈夫?」
「うん・・・・・」
なるべく心配をかけないように。
負担にならないようにと、痛くないふりをした。
本当は、朝から続いていた痛みより、はるかに痛さが増していた。
頭がズキズキする。
そこへ、お医者さんが入ってきた。
「ちょっと、いいですか?」
私とお母さんは、お医者さんの後に続いた。