最初で最後の恋
そして、とうとうやってきてしまった。
颯人が退院する日が。
「やっと退院かー」
んー・・・・と伸びをする颯人。
言わなきゃ。
「颯人・・・・」
「ん?」
どうしたんだろう。
いざ、言おうとすると、声が震える。
こんなの。
・・・・・・・こんなの私らしくないね。
「退院しても」
「ん」
「どんなに忙しくても」
「・・・・・・」
黙って聞いていてくれる。
「これからも私に会いに、この病院に通ってね」
「え・・・・?」
颯人の顔を見ながら。
顔が真っ赤になっているのが分かるけど。