最初で最後の恋
「正直に言ってみなさい」
うう・・・・。
お母さんには敵わない・・・。
「うん、好き。どうしようもないくらい、好きだよ」
気持ちを素直に言ってみた。
「そう。いいじゃない、颯人君。お母さんも応援しちゃうわよっ」
「ううん、いいの。気持ちを伝える気なんてないから」
応援してくれるのはうれしいんだけどね。
伝えてどうこうなる事じゃないから。
「あら、どうして?」
「気持ちを伝えて、仮に両想いだったとしても、私は颯人を置いて先に逝っちゃうかもしれないんだよ?伝えられるわけ・・・・・ないよ」
俯きがちにそういう私にお母さんは。
「そんなこと、わからないじゃない!」
「っ・・・・」
お母さんの大きな声に、思わず肩が飛び上がった。
「瑠璃が頑張らないでどうするの?頑張って、一日でも長く生きようとしなくちゃ」
「そう・・・・・だよね・・・・・」
堪えていた涙が零れてきた。