最初で最後の恋
「海だけを見せたかったわけじゃない」
「?」
歩きだす颯人の後に、黙ってついて行った。
そこには、神秘的な場所が。
「教・・・・会?」
真っ白な壁の教会があった。
「なんでここに?」
頭に浮かんだのはそれだけ。
「いいから、入ろうぜ」
そう言って、ドアを開けてくれる。
ゆっくりと中へ入っていく。
周りを見渡せば、テレビで見たような場所だった。
颯人はまっすぐ。
神父の立つ場所まで歩いて行った。
「神に頼んどきゃ、大丈夫だろ」
なんのことか、一瞬で理解できた。
「ここに連れてきたかったの?」
「んー・・・・まあ、それもあるかな」
なんでいつも私のことを考えて・・・・。