最初で最後の恋

それから数日後。


今日もまた颯人が来る。


今日は心臓が壊れそうなくらいバクバクしてる。


なんたって、お母さんに正式に報告するんだもん。


バクバクしないほうがおかしいって。


「もうすぐお母さん、来るっぽい」


「あぁ」


椅子に座っている颯人も、少なからず緊張しているみたい。


体が小刻みに震えてるし。


ガラガラ


お母さんが入って来た。


「あら、颯人君。まだ居たのね」


もう夜の8時。


本来なら、颯人はもう帰っている時間。


「はい。今日は言いたいことがあって残ってました」


ドキッ


「言いたいことって?」


これ、心臓に悪いよ・・・・・。


「瑠璃さんと付き合うことになりました」




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