最初で最後の恋
颯人の顔に焦りが生じる。
「俺なんっも用意してなかったー!」
そんな颯人がおかしくて。
「ふふっ」
笑いがこぼれてしまう。
「いや、今からでもまだ間に合うな」
「何も用意してなくていいって。颯人といれるだけで幸せだよ」
颯人を見上げると。
「・・・・・っ。反則だし・・・っ」
「あらあら」
「?」
颯人とお母さんの言ってる意味がわからなかったけど。
今年の誕生日は最高のものになりそうな気がして。
楽しみになってきた。
こんなに明るくなれたのも。
楽しくなれたのも。
全部全部、颯人のおかげ。
そんな颯人に、何かお返しがしたいな。