最初で最後の恋

「こ、れ・・・・」


一体どこで?


なんで私に?


聞きたいことなんていっぱいあった。


けれど。


「うっ・・・ひっく・・・・・」


目から溢れて来た涙で呂律が回らなくなって。


言葉を発せなくて。


「俺が好きになったのは、瑠璃が初めてだ。それはこれからも変わらない」


「俺はまだ17歳だし、人が聞いたら馬鹿げてるって思うかもしんねぇ。だけど!」


「ひっく・・・・・」


ただ泣いてることしかできなくて。


颯人の言葉に耳を傾けていた。


「ずっと一緒にいたいと思う気持ちは絶対に変わったりしねぇ。だから、予約させてほしい」


そう言って。


私の左の薬指にそっと指輪をはめる颯人。


「は・・・い・・・・」


かろうじて出た言葉。


ねぇ、神様。


私はこんなに幸せでいいのですか?





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