最初で最後の恋
「それにしても、こんな時間まで残って。どうしたのかしら?」
「瑠璃のお母さんに、話があって残ってました」
「私に?」
そう言って、お母さんと颯人は病室から出て行った。
「颯人がお母さんに何の話だろう」
気になって仕方ないけど、本人から話してくれるのを待ってみようかな。
それから、少し待ったけど、全然戻ってこないな。
待ってる間、暇なんだけど。
空でも見ようかな。
そう思って、窓のほうまで、体を寄せる。
見上げると、満天の星空。
「う・・・わぁ・・・・・」
すごい。
こんなに星をたくさん見たのなんて初めてかも。
少しの間、ずっと眺めていた。
いつまでも眺めていたいほど綺麗。
心の中で祈った。
“これからも颯人といられますように”