最初で最後の恋
「なら、お願いよ」
「無理です。そのお願いは聞けません」
瑠璃が外へ出るのには、大きな負担がかかるんだろう。
けれど。
「瑠璃に、もっともっと世界を見せてやりたい。こんなに広いんだよって。こんなにすごいんだよって・・・・」
そしてなにより。
「俺は、瑠璃と会わないで過ごすなんて、耐えられません」
こんなのただのわがままだって分かっているけど。
瑠璃に負担になってしまうかもしれないけど。
「瑠璃と一緒にいるって決めたんです。瑠璃と未来を見ようって、決めたんです。諦められません」
瑠璃は、俺の好きな人だから。
本当に、心を動かされた人だから。
瑠璃の幸せが俺の幸せになるから。
だから。
「瑠璃を幸せにします。俺からもお願いです。これからも瑠璃と会わせて下さい。俺に瑠璃を愛させてください」
もう一度。深く深く頭を下げる。
「・・・・・はぁ」
瑠璃のお母さんの口からため息が漏れる。
「颯人君はいい子ね」