最初で最後の恋

こんなの久しぶりで。


嬉しくて。


涙がこぼれそうになったけど、必死に耐えた。


まだ泣いちゃいけない。



自分の席がわからないままうろうろしていると。


「君の席はここ!」


そう言って、手を引っぱってくれた一人の女の子。


「あ・・・ありがとう!」


「いーえ」


にこにこと笑うその顔が、とても可愛かった。


「私は由梨。皆からはゆーりって呼ばれてるよ☆」


「ゆ・・・ゆーり!」


「うん!瑠璃!」


ゆーりはとっても優しかった。


教室へ入ってから、ずっと私に話しかけてくれるし


授業で分からなかったところを教えてくれたりもした。


席が隣だから。



4時限目も終わり、やっとお昼の時間。


「お腹すいちゃった」


「そうだな」


私の席へやってくる颯人。









< 76 / 160 >

この作品をシェア

pagetop