最初で最後の恋
こんなの久しぶりで。
嬉しくて。
涙がこぼれそうになったけど、必死に耐えた。
まだ泣いちゃいけない。
自分の席がわからないままうろうろしていると。
「君の席はここ!」
そう言って、手を引っぱってくれた一人の女の子。
「あ・・・ありがとう!」
「いーえ」
にこにこと笑うその顔が、とても可愛かった。
「私は由梨。皆からはゆーりって呼ばれてるよ☆」
「ゆ・・・ゆーり!」
「うん!瑠璃!」
ゆーりはとっても優しかった。
教室へ入ってから、ずっと私に話しかけてくれるし
授業で分からなかったところを教えてくれたりもした。
席が隣だから。
4時限目も終わり、やっとお昼の時間。
「お腹すいちゃった」
「そうだな」
私の席へやってくる颯人。