最初で最後の恋

食べている途中で、ゆーりが私の耳元でぼそっと呟いた。


「瑠璃って、颯人の彼女でしょ?」


「おわっ!」


思わず飲んでいたジュースを吹き出しそうになるのを堪えた。


「やっぱりね~」


「な、なんで?」


「一目瞭然よ。颯人がこんなに優しくしてるなんてね」


「え?」


颯人はいつでも優しいけど・・・?


「まあ、たいていの人とは仲良くなれるんだけどさ。女には壁があるっていうか・・・」


「ふむ・・・」


私はそんなの感じないけど・・・・。


でもそれって、私が“特別”ってことなのかな?


「ふふっ」


そう思ったら、笑みがこぼれてきた。


「まあ、颯人の事好きな子なんて多いし、頑張ってね!」


「え!」


またもや大きな声が出てしまった。


颯人と誠君に不審がられたけど、「なんでもないよ」とごまかした。


颯人って、モテるんだな・・・・。





え・・・?


てことは、ゆーりも・・・?




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