最初で最後の恋
「じゃ、戻るか~」
誠君の言葉を合図に、立ち上がる。
目の前が・・・・ぼやける。
立ち眩みかな・・・?
手で目を覆うと、少しの間だけ目を閉じた。
パット目を開けると、元通り。
「よしっ」
最初で最後かもしれない高校生活なんだから
楽しまなきゃ損よね?
「眠いよ~」
教室に着いてからの第一声。
嘘だけど。
本当は頭が痛いから少しだけ眠りたいだけ。
「保健室行く~?あそこなら寝れるよ」
「うーん」
その手もあるけど、できるだけ皆と一緒に居たい。
これが最後かもしれないんだから。
思い残すことはないようにしなきゃ。
「私も一緒にいくよー」
「本当?」
ゆーりも一緒なら・・・・ちょっとだけ・・・。