最初で最後の恋

こんなに私が思っていたことを口に出されて言われると、何も言えなくなる。


本当が思ってた。


颯人はこんな病気持ちの彼女なんて、めんどくさくないのだろうか。


毎日毎日、用事だってあるはずなのに通いつめてくれて。


パンジーだって毎日一本買ってきてくれて。


私が望んでいたことを叶えてくれて。



・・・・・・でもそれは。


颯人にとって負担にしかならなかったのではないか。


心の中でずっと思ってた。


こんな女と一緒に居て楽しいの?


本当は別れたいって思ってるんじゃないの?


だけど颯人は優しいから、言えないだけなんじゃないの?


思っていたことが頭の中をぐるぐると駆け巡った。


「帰って・・・・・」


「は?」


「帰ってよ!二度とここには来ないで!!!」



自分がコントロールできない。


冷静でいられない。


この人とこれ以上長く一緒に居たくない。


嫌だ、嫌だ、嫌だ!!!




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